伊藤たかみ

伊藤たかみ / 助手席にて、グルグル・ダンスを踊って

著者のデビュー作。阪神・淡路大震災の1995年に出版されていて、舞台は神戸です。もちろん偶然なのだとは思いますが。著者の他の作品と比較すると、なんていうか非常に具体性の高さが特徴なように思います。そういう意味では、デビュー作にも関わらず、他の…

伊藤たかみ/17歳のヒット・パレード(B面)

1996年の作品。著者のデビュー2作目、だと思う。60年代〜70年代のヒットソングに乗って、17歳の男女二人が狂騒的な夏を過ごして、そして死に至るというストーリー。著者にしては珍しく物語としての世界観が、何ていうか現実離れしています。17歳の高校生が…

伊藤たかみ/アンダーマイサム

おそらく絶版だったはずなんだけれど、芥川賞受賞の便乗商法で文庫化された2001年の作品。親指が長いという端的な過剰を背負った高校生が主人公です。著者の描く若さやその危うさというのは、良くも悪くも一貫性があると思います。そして、この作品はその一…

伊藤たかみ / ミカ×ミカ!

男女双子の中学生の生活を描いた物語。小学校時代を描いた「ミカ!」の続編。 歳の割に随分と大人びた語り手「ユウスケ」のナラティブがものすごく心地いいです。例えば、 そして、ふと思った。大人になると女の人が化粧したくなるのは、いろんな気持ちを隠…

ミカ! / 伊藤たかみ

芥川賞受賞者の旧作。 伊藤たかみは、高校のとき「ロスト・ストーリー」を読んで、それ以来ノーマークだった。その作品は、何ていうか、高校生の僕でも「ありがちだな」って思える感じだったし、いわゆるJ文学の台頭にのっかってる感じもあまり好きじゃなか…

伊藤たかみ / リセット・ボタン

物語として面白かったです。ストーリーの進み方のテンポがよくって1日の通勤の往復だけで一気に読みきれました。自殺サイトで知り合った男女の話。恋愛小説って範疇に入るのかどうかはよく分からないけれど、まあそういうテイストも入りつつ。ここまで読ん…