2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

三浦しをん / 格闘する者に○

著者の作品を読むのは初めて。そして本作品は2000年の著者のデビュー作だそうです。もっと著者の作品を読んでみたいなって思わせる小説でした。一言で言えば物語として面白い作品。主人公の就職活動が縦軸に、父親が政治家でその跡継ぎに揉めているっていう…

吉本ばなな/キッチン

オリジナルは確か80年代、だったはず。というわけで、コンテンポラリーかと言えばそうではない作品で、かつ半古典化している作品ですよね。複数の人から薦められてたのにも関わらず、最近まで読んだことのなかった作家・小説でした。 結論としては、物凄くよ…

小川洋子 / 博士の愛した数式

この作品は、著者の中で「密やかな結晶」に続いて2冊目に読みました。 最近、200万部、突破したそうですね。映画の効果もあると思うのだけれど、この作品では何ていうかコマーシャルではないけれど、世代を問わず愛されるところがあると思います。「密やか…

伊藤たかみ/17歳のヒット・パレード(B面)

1996年の作品。著者のデビュー2作目、だと思う。60年代〜70年代のヒットソングに乗って、17歳の男女二人が狂騒的な夏を過ごして、そして死に至るというストーリー。著者にしては珍しく物語としての世界観が、何ていうか現実離れしています。17歳の高校生が…

長嶋有/タンノイのエジンバラ

著者が2002年に発表した作品4篇を収録した短編集。僕が勝手に抱いていた印象として、著者はきっちりとしたいわゆる物語を希求しているタイプかなと思っていたのだけれど、4篇中2篇は生活のスケッチのような作品です。物語があるタイプの2篇「夜のあぐら…

伊藤たかみ/アンダーマイサム

おそらく絶版だったはずなんだけれど、芥川賞受賞の便乗商法で文庫化された2001年の作品。親指が長いという端的な過剰を背負った高校生が主人公です。著者の描く若さやその危うさというのは、良くも悪くも一貫性があると思います。そして、この作品はその一…