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長嶋有 / 泣かない女はいない

泣かない女はいない作者: 長嶋有出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/03/15メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (125件) を見る2005年の作品。タイトル作と「センスなし」という2編の短編(中編?)を収録。両者とも30歳…

吉田修一 / 悪人

悪人作者: 吉田修一出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/04/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 134回この商品を含むブログ (307件) を見る朝日新聞夕刊に2006年3月〜2007年1月まで連載された作品。著者の作品を読むのは5作目くらいです。女性保険…

南木佳士 / ダイヤモンドダスト

ダイヤモンドダスト (文春文庫)作者: 南木佳士出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1992/02/08メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 38回この商品を含むブログ (13件) を見る 著者の小説は初読。著者の書いたノンフィクションを院生時代に資料として読んでいたと…

佐藤友哉/1000の小説とバックベアード

1000の小説とバックベアード作者: 佐藤友哉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (165件) を見る著者の作品は初読。もともとはミステリ畑の人らしい。1980年生まれという事で、ほぼ同世代の…

ミシェル・ウエルベック / ある島の可能性

ある島の可能性作者: ミシェルウエルベック,クサナギシンペイ,Michel Houellebecq,中村佳子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2007/02/28メディア: 単行本購入: 8人 クリック: 136回この商品を含むブログ (55件) を見る最近映画化された「素粒子」というの作…

ポール・オースター / リヴァイアサン

リヴァイアサン (新潮文庫)作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/11/28メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 176回この商品を含むブログ (90件) を見る僕は村上春樹から入ったくちなので、現代アメリカ文学自体に…

小川洋子 / 物語の役割

物語の役割 (ちくまプリマー新書)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/02/01メディア: 新書購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (71件) を見るタイトルからも分かるように小説ではなく、講演をまとめたものです。3部構成になっ…

堀江敏幸 / 熊の敷石

熊の敷石 (講談社文庫)作者: 堀江敏幸出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/02/13メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (89件) を見る1999〜2000年に発表された3作品を収録。3作品とも、非常に素晴らしい作品だと感じたのですが、特にタイト…

三崎亜記 / 失われた町

失われた町作者: 三崎亜記出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/11/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 35回この商品を含むブログ (168件) を見る「30年に一度起こる町の「消滅」。忽然と「失われる」住民たち。」という帯に魅かれ、装丁にも魅かれ、小…

長嶋有 / ジャージの二人

ジャージの二人 (集英社文庫)作者: 長嶋有出版社/メーカー: 集英社発売日: 2007/01/19メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 59回この商品を含むブログ (141件) を見る2003年の作品。タイトル作と「ジャージの三人」という二つの連作を収録。妻に公開不倫されて…

生田紗代/タイムカプセル

タイムカプセル作者: 生田紗代出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2004/07/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 72回この商品を含むブログ (22件) を見る著者の2作目。著者は現在までのところ単行本を3冊しか出していないのですが、一応全ての作品を…

生田紗代 / まぼろし

まぼろし作者: 生田紗代出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/07/21メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (21件) を見る2005年の作品。「十八階ビジョン」、「まぼろし」の2作を収録。著者の作品を読むのは2作目だけれど、結構好きかなって…

生田紗代 / オアシス

オアシス (河出文庫)作者: 生田紗代出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/09/05メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (20件) を見る著者の作品を読むのは初めてでした。二つの物語が並行して走ってゆくストーリーライン。一つは、主人公…

小川洋子 / 妊娠カレンダー

1991年の作品。3つの短編からなる短編集。 3篇ともある種、怪談に近いタッチがあるように思います。読後の爽やかさのようなもの、そういうのはあまりなくって、やっぱりゴスなんだと思います。情景描写を多用したグロデスクだけれど美しい、という世界観。…

村上龍/シールド(盾)

2006年の作品。絵本という体裁をとっているのですが、150ページ強もあるので、文章の容量としては短編くらいはあるのではないかと思います。個人的な印象であるし、我ながら安易な比較であると思うのですが、僕は村上春樹が「壁」に象徴されるような「盾…

村上春樹 / 海辺のカフカ

2002年の作品。 僕は村上春樹がかなり好きです(最近は落ち着いてきましたが)。読み返してみて、近年の(具体的に言うと21世紀に入ってからの)著者の作品の中では一番好きだなと思いました、この作品で著者が表現したかった事は、 君の外にあるものは、君…

絲山秋子/海の仙人

2004年の作品。文庫で200ページ弱だけれど、おそらく現在までの所、著者の書いた最も長い作品だと思います。これまで読んだ著者の作品の中で個人的には一番好きです。2007年になってから初めて読んだ小説なのですが、新年早々いい作品を読めて、非常に気分が…

吉本ばなな / ハチ公の最後の恋人

1996年の作品。いわゆる恋愛小説って感じの恋愛小説でした。この人ってこういう作品も書けるんだなあっていうのにちょっとびっくりしました。この作品を読んで、真っ先に思い浮かんだのは「セカイ系」っていう言葉です。なんかセカチューが流行ってた時にあ…

伊藤たかみ / 助手席にて、グルグル・ダンスを踊って

著者のデビュー作。阪神・淡路大震災の1995年に出版されていて、舞台は神戸です。もちろん偶然なのだとは思いますが。著者の他の作品と比較すると、なんていうか非常に具体性の高さが特徴なように思います。そういう意味では、デビュー作にも関わらず、他の…

絲山秋子/ニート

2005年の作品。5編の短編集。 著者の作品は基本的に好きなのだけれど、この作品はちょっと個人的には理解しきれない部分がありました。僕の著者の作品の好きなところは、恋愛を題材に書いた作品であっても、恋愛小説として消化しきれないところでした。なん…

三浦しをん / 格闘する者に○

著者の作品を読むのは初めて。そして本作品は2000年の著者のデビュー作だそうです。もっと著者の作品を読んでみたいなって思わせる小説でした。一言で言えば物語として面白い作品。主人公の就職活動が縦軸に、父親が政治家でその跡継ぎに揉めているっていう…

吉本ばなな/キッチン

オリジナルは確か80年代、だったはず。というわけで、コンテンポラリーかと言えばそうではない作品で、かつ半古典化している作品ですよね。複数の人から薦められてたのにも関わらず、最近まで読んだことのなかった作家・小説でした。 結論としては、物凄くよ…

小川洋子 / 博士の愛した数式

この作品は、著者の中で「密やかな結晶」に続いて2冊目に読みました。 最近、200万部、突破したそうですね。映画の効果もあると思うのだけれど、この作品では何ていうかコマーシャルではないけれど、世代を問わず愛されるところがあると思います。「密やか…

伊藤たかみ/17歳のヒット・パレード(B面)

1996年の作品。著者のデビュー2作目、だと思う。60年代〜70年代のヒットソングに乗って、17歳の男女二人が狂騒的な夏を過ごして、そして死に至るというストーリー。著者にしては珍しく物語としての世界観が、何ていうか現実離れしています。17歳の高校生が…

長嶋有/タンノイのエジンバラ

著者が2002年に発表した作品4篇を収録した短編集。僕が勝手に抱いていた印象として、著者はきっちりとしたいわゆる物語を希求しているタイプかなと思っていたのだけれど、4篇中2篇は生活のスケッチのような作品です。物語があるタイプの2篇「夜のあぐら…

伊藤たかみ/アンダーマイサム

おそらく絶版だったはずなんだけれど、芥川賞受賞の便乗商法で文庫化された2001年の作品。親指が長いという端的な過剰を背負った高校生が主人公です。著者の描く若さやその危うさというのは、良くも悪くも一貫性があると思います。そして、この作品はその一…

小川洋子/密やかな結晶

「博士の愛した数式」の原作者の1994年の作品。というわけで、コンテンポラリーかと言えば、そうではないのですが。芥川賞受賞作家だそうです。僕が初めて読んだ著者の作品。友達から僕の好みっぽいと言われて読んでみたのですが、かなり好きです。「消滅」…

吉田修一 / 東京湾景

仲間由紀恵主演でドラマ化された作品。多分、著者の作品を立て続けに読んでるせいもあるだろうけれど、あまりメッセージ性にも目新しさが感じられなくって、その上、小説としても、それほどストーリー的に魅かれるところがありませんでした。個人的に恋愛小…

最後の息子

「最後の息子」「破片」「water」の三作を収録。「water」。水泳部に所属する主人公が大会に至るまでの話です。物凄くポジティブな主人公とその仲間。でも、しっかり影もあって、同じく水泳部に所属していた主人公の兄はなくなっており、母親はそのショック…

イッツ・オンリー・トーク

タイトル作と「第七障害」の2編の中篇を収録してます。オリジナルは2004年で芥川賞受賞に伴って文庫化したみたい。 「沖で待つ」でいいなあって思ったのですが、この作品で著者の世界に完全にはまりこんでしまいました。個人的には「第七障害」の方が分かり…